シンガポール―産業―金融
シンガポールの金融
シンガポールは、アジアにおける国際金融センターとしての役割を強めています。
政府系ファンド
シンガポールの政府系ファンドが、アジアを中心に注目企業への巨額投資を行い、急成長しています。
代表例
シンガポールの代表的政府系ファンドは、次の2つです。
- シンガポール政府投資公社(GIC)
- テマセク・ホールディングス
シンガポール政府投資公社(GIC)
シンガポール政府投資公社(GIC)は、外貨準備を主に運用しています。
GICは、2011年には、東日本大震災後の日本にも投資しています。
三井物産など日本の15社の株式を保有し、時価総額は推定1500億円ほどといわれています。
テマセク・ホールディングス
テマセクは、航空・通信など国内の基幹産業の企業を上場させて得た資金を主に運用しています。
資金の運用先は、その80%がアジアです。
2010年には、インドの民間電力大手など資源関連企業に数億ドルを出資しました。
また、中国の吉林省の食品加工区開発にも出資しています。
2011年秋には、テマセクの子会社は日本の不動産に特化した約250~400億円の大規模なファンドを設立する予定です。
特色・特徴
両ファンドの投資の特色は、時代の潮流を先読みしたシンガポールの国家戦略を反映していることです。
2000年代の金融危機後は、アジアなどの新興国とその資源が重点分野になっています。
新興国の資源が、国際的な食料・エネルギー需給に大きな影響を与えると考えているからです。
また、自国が天然資源に乏しいため、資源を確保するという意味もあります。
実績
純資産額
シンガポールの経済成長に伴い、両ファンドの資産額は、2011年7月時点で、約4000億ドル(約30兆円)にも達しています。
利回り(リターン)
両ファンドの過去20年間の平均利回りは、GICが7.2%、テマセクが約15%と、高い運用実績を実現しています。
先進国の国債の平均利回りが2~3%であることに鑑みると、これは驚異的な利回りといえます。
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